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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
婦人科・その他
・多量出血をきたした子宮動静脈奇形の2例


佐薙 佳世1), 松本 隆万1), 野澤 絵里1), 武隈 桂子1), 關 寿之1), 鈴木 美智子1), 竹中 将貴1), 新美 茂樹1), 落合 和彦1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属青戸病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)


子宮動静脈奇形(UAVM)は稀な疾患だが多量の性器出血と重症貧血を生じ,時に緊急止血を要する場合もある.今回われわれはUAVMを疑い子宮摘出に至った2例を経験したので報告する.【症例1】46歳,3経妊2経産.過多月経を主訴に初診.30歳時に帝王切開の既往がある.中等量の性器出血と多発する筋層内筋腫を認め,止血目的で中容量ピルを内服するも効果は乏しく,Hb値も6.0g/dlまで低下した.子宮内膜掻破術も施行したが出血は減少せず,子宮動脈塞栓術(UAE)を施行したところ造影所見よりUAVMが疑われた.UAEの止血効果も一時的であったため,その後子宮全摘出術を施行し術後病理検査でUAVMと診断された.【症例2】41歳,4経妊2経産.中期中絶の既往がある.過長月経を主訴に初診.経腟超音波検査で子宮内腔に不整な腫瘤像を認め,悪性腫瘍を疑い内膜細胞診検査を施行したところ突発的に多量出血を認めた.一時的にpre-shock状態に陥ったがその後徐々に出血量は減少し全身状態も回復した.診断確定のために同時に施行した内膜組織生検では分泌期内膜組織と壊死組織を認めるのみで,各種腫瘍マーカーもすべて陰性であった.造影CT/MRI検査では,子宮内腔に7cm大の血腫像を認め,増強される隔壁様の間質と異常血管の指摘がありUAVMが示唆された.止血目的に子宮全摘出術を施行,術後病理結果でUAVMと診断された.UAVMの診断は特にUAEや造影MRIなどの造影検査を施行することが有用であり,多量子宮出血の診断において通常の止血方法に抵抗する場合,臨床症状から本疾患を念頭に置き検査を進めることが重要と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 264-264, 2010


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