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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))
【一般演題】
子宮頸癌 ・妊娠中の子宮頸部細胞診における従来法と液状処理細胞診(Liquid Based Cytology,LBC)との比較検討
杉浦 敦, 喜多 恒和, 竹下 茂樹, 杉原 武, 岸本 倫太郎, 杉崎 聰一, 田口 彰則, 松本 泰弘, 司馬 正浩, 木戸 浩一郎, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学産婦人科
目的:子宮頸部細胞診を妊娠中に検診として施行することは,増加している子宮頸癌や子宮頸部初期病変を発見する良い機会であるとされている.しかし妊娠中の細胞診は頸管粘液の増加,炎症,採取器具による出血などのため判定できる細胞数が少なく,非妊娠時の細胞診より過小診断され,推定病変がunderestimateになることがあると報告されている.今回われわれは,妊娠初期の細胞診において液状処理細胞診(Liquid Based Cytology,以下LBC)も同時に行い,直接塗抹による従来法と比較し,LBCの臨床的有用性を検討したので報告する.対象と方法:倫理委員会の承認のもと妊婦から書面で同意を得た47例に対し,Cervex-ブラシを使用して1回の採取で子宮頸部から得られた細胞をはじめに直接スライドグラスに塗抹し,次いで液状処理細胞診作成固定液を含んだバイアル内で細胞を洗い出し,両者でプレパラートを作成した.結果:異型細胞の判定は旧日母分類で行い,従来法でIIIaとIVが各々1例であったが,LBC法ではIIIaが3例,IIIbが2例で,検出率は,直接塗抹法で2/47例(4.3%),LBC法で直接法の2例を含む5/47例(10.6%)とLBC法が高い傾向を示した.有害事象はブラシの使用による子宮頸部擦過時の性器出血であったが,特に重篤なものはなかった.結語:LBC法では異型細胞の検出率が高い傾向があったがその臨床的有用性に関してはさらに症例を追加しての検討を必要とすると思われる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2)
264-264, 2010
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