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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍A・婦人科感染症
・腹部に瘻孔を形成した卵巣膿瘍の原因が骨盤内放線菌症であった一例


林 忠佑, 椙田 賢司, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学板橋病院産婦人科


今回,放線菌感染による卵巣膿瘍,腹部瘻孔の1例を経験したので報告する.[症例]46歳,2経妊1経産.16年間持続する統合失調症(慢性欠陥状態)のため前医(精神科病院)入院中だった.腹部膨満感と不正出血を認め,近医産婦人科受診したところ,卵巣腫瘍を指摘された.さらに腹部に瘻孔を認め発熱していたため前医でアンピシリンの投与を受け,解熱後に当科に転院した.子宮内膜細胞診,頸部細胞診は共にclass2であり,腟分泌物培養は陰性だった.超音波検査とMRIで骨盤腔に直径9cm大の多房性の腫瘍があり,注腸検査ではS状結腸の狭窄を認め,腫瘍の直腸浸潤を強く疑った.右下腹部の腹壁には1mmの瘻孔を2ヶ所認めたが,分泌物の培養,細胞診では異常なかった.以上の所見から卵巣癌を疑い,試験開腹を行った.開腹所見は両側卵巣膿瘍であり,腹部の瘻孔は筋膜でとどまっていた.このため両側付属器切除+大網部分切除を施行した.術後に発熱したが抗菌剤(クリンダマイシン)投与で軽快した.病理組織診で大網に放線菌塊を認めたため,今回の病態が放線菌感染によるものとの結論に達した.腹部に瘻孔を伴う骨盤内腫瘍を認めた場合には放線菌感染も考慮する必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 271-271, 2010


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