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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【教育セミナー1】
「妊娠と薬」の必修知識
濱田 洋実
筑波大学大学院人間総合科学研究科婦人周産期医学
通常の日常臨床における薬物療法は,医薬品投与を受ける患者に期待される効果と投与によって起こりうる有害事象を勘案して行うことが原則である.これに対して,妊娠女性に対する薬物療法においては,さらに胎児(新生児)の形態および機能への影響を考慮しなくてはならず,これが「妊娠と薬」というテーマにおいては最も重要な点である.胎児に比較的安全な代替医薬品があるにもかかわらず,危険性の高い医薬品を漫然と妊娠女性に投与することは許されない.一方,妊娠が判明したことだけを理由に安易にその医薬品投与を中止することは,その女性の病状悪化を引き起こすことにつながることも忘れてはならない. 本セミナーでは,この「妊娠と薬」に関して,初期臨床研修医あるいは産婦人科専攻医が必ず知っておかなければならない以下のそれぞれの事項について概説する. 1.「妊娠と薬」の基礎知識 1)妊娠時期別の「妊娠と薬」の考え方 2)「妊娠と薬」情報の入手方法 3)投与を受ける妊娠女性やその家族への情報提供における注意点 2.覚えておきたい具体的医薬品 3.「妊娠と薬」情報に関する新しい取り組み
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
298-298, 2010
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