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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
優秀演題賞候補(婦人科2) 持続ドレナージ法で管理した骨盤内リンパ節郭清後リンパ膿瘍10例の検討
中島 名律子, 碓井 宏和, 植原 貴史, 平敷 好一郎, 加藤 一喜, 楯 真一, 三橋 暁, 生水 真紀夫
千葉大学産婦人科
【はじめに】骨盤内リンパ節郭清後の後腹膜リンパ膿瘍は抗生剤投与や膿瘍穿刺,切開ドレナージなどにより治療を行うことが多い.穿刺吸引法では膿瘍が十分に吸引できず,治療が難渋することもしばしば経験する.われわれは,マレコット型ネフロストミーキット14Fr(ウロステント:内径2.5mm)を用いた持続ドレナージ法でリンパ膿瘍を管理している.その成績について報告する.【対象と方法】2004年4月以降に発症したリンパ膿瘍例のうち,ウロステントを超音波ガイド下に(経腹:9例,経腟:1例)留置して持続的にドレナージを行い管理した10症例について後方視的に検討した.【結果】術式は広汎子宮全摘3例,単純子宮全摘7例,リンパ節郭清の範囲は,骨盤内のみが7例,骨盤内+傍大動脈領域が3例であった.局所の疼痛は全例に,38℃以上の発熱は6例にみられた.発症時のWBC数は平均値8,630±4,224/μl,CRPは14.3±6.9 mg/dlであった.解熱(37℃以下)に要した日数は中央値2日(1-4日),CRP値改善(<3.0 mg/dl)に要した日数は6日(2-14日),ウロステントの留置期間10.5日(5-28日)であった.合併症としては,皮下蜂窩織炎を1例で認めた.自然抜去1例,ステント閉塞1例を認めたが,切開ドレナージを要した症例はなかった.【まとめ】通常の穿刺吸引法と比較してウロステントはカテーテル内径が太いため,効果的に排膿・洗浄・持続ドレナージが可能である.安全に施行可能であり,リンパ膿瘍の管理に有効であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
307-307, 2010
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