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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
優秀演題賞候補(産科1)
新診断基準の75gOGTTにおいて1点のみを陽性とする妊娠糖尿病の周産期予後に関する検討


一瀬 隆行, 笹森 幸文, 生井 重成, 櫻井 理奈, 杉原 武, 川田 龍太郎, 手島 映子, 梅澤 幸一, 司馬 正浩, 木戸 浩一郎, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学産婦人科


【目的】HAPO studyをもとに国際糖尿病・妊娠学会(IADPSG)から提唱された妊娠糖尿病(GDM)の新診断基準では75gOGTTにおいて空腹時血糖値≧92mg/dl,1時間値≧180mg/dl,2時間値≧153mg/dlのうち1点のみを陽性とする例(以下1点陽性例)も含まれることとなった.従来はGDMとして扱われなかった群である.当院ではGDMと診断された妊婦は入院管理とし,食事療法ならびにSMBG(血糖自己測定)を行い,コントロール不良の場合にはインスリン療法を行ってきたが,1点陽性例に対しては外来にて食事療法のみを行ってきた.今回の診断基準の変更によりGDMの頻度は3〜4倍に増加すると考えられている.そこで,これらの症例の管理方法を検討するために,特に児の周産期予後について調査した.【方法】2009年4月から2010年6月までに当院において分娩となった単胎症例810例について,新診断基準に照らして1点陽性例と診断された21例について,早産,出生体重,低血糖,肩甲難産,新生児外傷,高ビリルビン血症の各項目を後方視的に検討した.【結果】1点陽性例21例中,早産1例,HFD児1例,巨大児1例,低血糖1例で,肩甲難産・新生児外傷・高ビリルビン血症は認めなかった.【考察】新診断基準のGDMの1点のみを陽性とする症例においては,外来での食事療法管理で児の周産期予後はそれほど不良ではなかった.GDMの中でも高血糖の程度によって個別な対応を行える可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 309-309, 2010


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