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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
優秀演題賞候補(産科2) 当院で経験した子宮外妊娠33例の超音波像と臨床経過に関する検討
目黒 紗林子, 山本 泰廣, 森嶋 かほる, 曾根 献文, 手塚 真紀, 野村 香央里, 坂巻 健, 小林 浩一
社会保険中央総合病院産婦人科
子宮外妊娠は,全妊娠の1%と言われ,部位別では卵管妊娠が98%以上を占める.HCG2000単位以上で子宮腔内にGSが確認できない場合に,子宮外妊娠が疑われ,診断・治療目的に開腹もしくは腹腔鏡手術が考慮される.今回,平成18年から22年までに当院で経験した子宮外妊娠33例を,超音波像と臨床経過について検討した.患者の平均年齢は29.5歳で,妊娠部位は卵管妊娠が32例,卵巣妊娠が1例であった.これらの症例の術前の超音波像を,1,子宮外にGS様のcysticな超音波像を認めるもの,2,子宮外にGS及びFHBを認めるもの,3,Coagula様の超音波像のみを認めるもの,4,超音波所見を得られなかったものに分類し,血清HCG定量,術中出血量で比較,検討した.1,子宮外にGS様のcysticな超音波像を認めるものは30例中13例で,血清HCG量の平均は5819単位,術中出血量の平均は118mlであった.2,子宮外にGS及びFHBを認めるものは30例中4例で,血清HCG量の平均値は6513単位,術中出血量の平均は72mlであった.3,Coagula様の超音波像のみを認めるもの30例中14例で,血清HCG量の平均値は3515単位,術中出血量の平均は606mlであった.4,超音波所見を得られなかったもの30例中2例は血清HCG量7611単位,術中出血量は730mlであった.以上のことからCoagula様の超音波像を認めるものは平均血清HCG値が一番低いにもかかわらず術中出血量が多いことがわかった.子宮外妊娠の診断と治療の決定はHCGの値だけではなく,超音波像,臨床症状を総合的に判断するべきということが分かった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
310-310, 2010
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