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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
子宮内膜症 腹腔鏡下子宮筋腫核出術中に認められた,虫垂子宮内膜症の1例
中山 毅, 石橋 武蔵, 田中 一範
JA静岡厚生連静岡厚生病院産婦人科
【緒言】腹腔鏡下子宮筋腫核出術施行時に,偶然に虫垂の腫大を発見し,同時に腹腔鏡下虫垂切除術も施行し,術後病理検査にて虫垂子宮内膜症と診断された症例を経験したので報告する. 【症例】30歳,0経妊0経産.挙児希望,子宮筋腫のため,紹介初診.以前より右下腹部痛を認めていたが,様子をみていた.内診,画像検査にて,多発子宮筋腫を認めたが,子宮付属器は異常所見は認めなかった.血液検査では異常所見もなく,CA125も正常範囲.全身麻酔下に,腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行した.子宮前壁,後壁に存在する3cm大,6cm大の子宮筋腫を型どおり核出.腹腔内には,肉眼的に子宮内膜症の所見は認めなかった.虫垂と右卵巣が強固に癒着をした状態であり,癒着剥離を施行したところ,偶然に虫垂の腫大を発見したため,腹腔鏡下虫垂切除術も施行した.手術時間2時間30分,出血38g.術後病理検査にて虫垂子宮内膜症と診断された. 【考察】本症例では,腹腔内に子宮内膜症の所見はなく,虫垂のみに子宮内膜様組織を認めていた.病因については不明な点もあるが,特に右下腹部痛や不妊症を主訴とした患者に腹腔鏡手術を施行する際には,例え腹腔内に子宮内膜症病変を認めていなくても,積極的に虫垂を確認し,虫垂子宮内膜症にも留意する必要があろう.また虫垂子宮内膜症患者が妊娠した際には,腸閉塞や腸穿孔などの重症化を起こしやすいことから,異常所見があれば同時に虫垂切除を積極的に行うことも望ましいと考えている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
312-312, 2010
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