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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
子宮内膜症 呼吸器子宮内膜症の3例
齊藤 佳子, 上杉 健哲, 塙 真輔, 西方 紀子, 小幡 新太郎, 杉田 達哉, 田中 圭
成田赤十字病院産婦人科
子宮内膜症は生殖年齢女性の5〜15%に発生すると言われている.その中で呼吸器領域に発生するものは約2%と少ない頻度であるが,月経に伴って血痰,喀血,胸痛,背部痛,呼吸困難といった症状を引き起こし,QOLを著しく低下させる.今回,月経随伴性気胸のため胸腔鏡下に手術を行った呼吸器子宮内膜症3例を経験したので,文献的考察を加え報告する.【症例1】37歳0経妊0経産,以前より月経時に呼吸苦を自覚していた.X年10月,月経時の呼吸苦で近医を受診し右気胸と診断され,当院を救急受診した.胸部レントゲン上,右肺に3度の気胸を認め,胸腔ドレーンを挿入し入院となった.CA125 82.8U/mlと上昇を認め,月経随伴性気胸を疑い,胸腔鏡下に手術を施行した.右肺中葉にブラを認め,leak testでair leakを確認し,横隔膜にblue berry spotと一部に裂孔を認め,右肺・横隔膜を部分切除した.【症例2】36歳2経妊2経産,これまでに何度か胸痛の既往があった.Y年6月,突然の胸痛が出現し,近医で右肺3度の気胸と診断され当院呼吸器外科へ紹介となった.CA125 31.5U/ml.胸腔鏡下手術で,右肺尖部に胸膜変化を認め切除,横隔膜にblue berry spotがあり部分切除した.【症例3】34歳0経妊0経産,子宮内膜症を疑われたことがあった.Z年8月,右胸痛を自覚し,近医で右3度の気胸と診断され当院へ紹介となった.CA125 42.7U/mlと軽度の上昇を認めた.胸腔鏡下手術で,横隔膜に暗赤色のspotがあり部分切除した.以上3例は病理検査で横隔膜子宮内膜症と診断され,術後,当科で経過観察となった.ルナベルなどを内服しながら,以後,月経随伴症状を認めなかった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
312-312, 2010
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