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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍1
当科のプラチナ抵抗性再発卵巣癌に対するリポソーマルドキソルビシンの使用実績


近藤 一成, 喜多川 亮, 小島 美奈子, 佐藤 歩美, 上野山 麻水, 佐藤 奈加子, 忠内 薫, 杉田 匡聡, 角田 肇
NTT東日本関東病院産婦人科


プラチナ抵抗性再発卵巣癌の予後は悪く,治療に難渋することが多い.よって,QOLの維持,症状の緩和を第一に考える必要があり,PSがよい症例に限り延命目的の化学療法が考慮される.海外では10年以上前から再発卵巣癌にリポソーマルドキソルビシンが使用されている.去年の4月に日本でも使用可能となり,新たな治療戦略が可能となった.当院では今までに本剤を9名の再発卵巣癌患者に使用したので,その使用経験につき報告する.単剤投与の投与量は50mg/m2が2名(うち1名は骨髄抑制により2コース目から40mg/m2に減量投与),40mg/m2が6名,30 mg/m2が1名だった.単剤投与の9名中5名は治療の効果なく死亡したが,4名は生存し治療を行っている.生存者全例にCA125の減少もしくは画像上の腫瘍縮小効果が認められた.CA125の低下は2コース目以降に顕著となる傾向にあった.有害事象については口腔粘膜炎,手足症候群がほぼ全例に認められた.口腔粘膜炎は1名にG3の口腔カンジダ症が認められた.手足症候群はG3以上の有害事象は認められなかった.以上より,リポソーマルドキソルビシンは再発卵巣癌に対して安全に使用可能だが,治療効果発現に一定時間を要することに注意すべきと思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 317-317, 2010


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