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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
胎児・新生児
一ヶ月健診時に判明した大動脈中隔欠損症に大動脈弓離断症を合併した一例


長野 宏史, 加藤 紀子, 藤岡 志水, 石黒 共人, 氏平 崇文, 太田 武雄, 永田 理恵, 太田 剛志, 荻島 大貴
順天堂大学医学部附属練馬病院産婦人科


【緒言】大動脈中隔欠損症は先天性心疾患のうち1.5%と比較的まれな疾患であり,本症の約半数はその他の心疾患の合併奇形を伴うと報告されている.左−右短絡量の増加および肺高血圧を伴うと,新生児期および乳児期早期に重篤な症状を呈するとされている.【症例】在胎37週6日に母体の妊娠高血圧腎症の増悪および分娩停止のために緊急帝王切開術による出生となった男児である.胎児期の超音波検査では明らかな異常を認めず,20週及び30週の際には胎児心臓の四腔断面,three-vessel view,大動脈弓の確認をされていた.出生体重は2842gであり,アプガースコアは9/10点,臍帯動脈血pHは7.363であった.【現病歴】出生後の経過に異常を認めていなかったが,日齢3に心雑音を指摘されていた.呼吸や哺乳力に異常なく,日齢7には心雑音の指摘がなかったため,2812gで退院となっていた.日齢13には母乳性黄疸の可能性の指摘があった.日齢30の一ヶ月健診時には3550gと体重の増加を認めていたが,啼泣時のcyanosisがあり,上下肢の酸素飽和度の違いを認めたことから先天性心疾患の診断となった.日齢32には心内修復および大動脈修復術施行となり,現在経過良好である.【考察】大動脈疾患は胎内診断が困難とされている.しかしながら20週や30週頃の心構造の確認により出生後の重篤な病態のスクリーニングが可能とされている.この症例を経験して,出生後の哺乳力低下や体重増加不良が無い場合でも,心雑音の指摘があった際には上下肢の酸素飽和度の違いを確認し,今回の疾患を念頭においた新生児管理が肝要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 323-323, 2010


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