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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
胎児・新生児 当院におけるLate preterm birth症例の検討
安田 豊, 矢野 ともね, 石田 洋昭, 齋藤 麻由美, 高島 明子, 川島 秀明, 木下 俊彦
東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科
従来から早産に関しては新生児の予後をはじめとして多くの研究がなされてきたが,近年,妊娠34週以降の早産であるLate preterm birthで出生した児においても正期産児に比べて医療的介入が必要になることが多いことが報告され注目されている.今回は当院におけるLate preterm birthについて検討を加えた.対象は2005年1月から2009年12月の5年間に34週0日〜36週6日に分娩となった162例(総分娩数2257例)である.診療録を元に後方視的に検討した.成績:帝王切開率は全体で57.4%であった.分娩理由のうち34週ではpreterm PROMとPIH悪化の割合が最も高かったが,35週では多胎のPROMと陣痛開始の割合が増えた.36週では単胎の自然早産とPROM,またPIHのためにterminationした例が多くみられた.NICUへの入院率は34週で89.5%,35週で41.9%,36週で17.4%であった.36週症例においては新生児の呼吸障害(新生児一過性多呼吸,呼吸窮迫症候群)が7.0%にみられた.まとめ:当院のLate preterm birthでは帝王切開率が高い.分娩に至った理由では破水と多胎の割合が高い.34週では新生児の約90%がNICUに入院し管理が必要であったが,週数が進むにつれてNICUの入院率は低下する.Late preterm birthでは新生児への医療的介入が高頻度にみられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
324-324, 2010
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