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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩2 CGMSを用い,良好な血糖コントロールが得られた妊娠糖尿病の一例
佐藤 陽一, 土橋 麻美子
東京慈恵会医科大学第三病院産婦人科
【緒言】糖尿病合併妊婦や妊娠糖尿病(GDM)患者の血糖コントロールは厳格に行わなければならない.通常行われている血糖自己測定(SMBG)は間欠的測定(7回/日)であり,必ずしも最適な治療法を設定できないことがある.近年開発された,CGMSは皮下にセンサーを刺入することで,24時間連続的に血中グルコース濃度の近似値を得ることができる器械である.今回我々はCGMSを用い,良好な血糖コントロールが得られた1例を経験したので文献的考察を加え報告する.【症例】35歳0経妊0経産.非妊時BMI23.5.既往歴なし.実父が2型糖尿病.自然妊娠.前医における妊娠14週時の空腹時血糖75mg/dl.妊娠25週時の空腹時血糖105mg/dl.妊娠27週時,HbA1c6.2%であった.妊娠32週0日,頻回の子宮収縮認め,切迫早産の加療目的で当科紹介,入院となった.入院後の空腹時血糖88mg/dl,HbA1c6.2%,75gOGTTは120−246−236でGDMと診断.児の推定体重は週数相当で,羊水過多や明らかな奇形は認めなかった.切迫早産に対して硫酸マグネシウム使用.GDMに対し食事療法と速効型インスリン投与開始するも血糖コントロール不良であり,CGMSを導入しインスリン量の調節を行った.切迫早産,血糖コントロール安定し,退院となった.妊娠38週6日,陣痛発来し,正常分娩で2825gの児を得た.産後,血糖値は速やかに正常化した.【結論】CGMSにより持続的な血糖推移を観察することができ,血糖コントロール不良例,妊娠悪阻,分娩進行時の経口摂取不良例においても有用な指標であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
327-327, 2010
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