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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩2
妊娠32週まで妊娠継続が可能であった妊娠20週前期破水症例の検討


増子 寛子, 村山 敬彦, 花岡 立也, 魚谷 隆弘, 五味 陽亮, 市川 美和, 松村 英祥, 高井 泰, 斎藤 正博, 高木 健次郎, 馬場 一憲, 関 博之
埼玉医科大学総合医療センター周産期センター


【緒言】妊娠24週未満の前期破水(pPROM)症例の周産期予後は極めて不良である.今回我々は,妊娠20週にpPROMをきたした後,妊娠32週まで妊娠を継続し,児の経過が良好であった症例を経験した.2004年から2009年の間,妊娠20〜23週でpPROMとなった16症例の転帰を併せて検討し,予後に関わる因子を検討した.【症例】23歳.2回経妊0回経産.自然妊娠.近医で妊婦健診を受けていた.妊娠20週3日,予兆無くpPROMをきたした.妊娠継続の強い希望があり,妊娠21週6日,当院に母体搬送となった.来院時,清明な羊水の持続流出を認め,子宮収縮は明らかでなかった.児発育正常,AFI 6.4cm,子宮頸管長40mm,頸管粘液顆粒球エラスターゼ試験陰性,腟分泌物細菌培養検査Lactobacilus spのみ,母体血白血球8,700/μL,同CRP 0.1mg/dLであった.子宮収縮抑制剤持続静注と治療量の抗生剤経静脈投与,腟内洗浄を開始した.その後も羊水流出は持続し,AFI 1〜2cmで推移した.妊娠32週0日,子宮収縮増強し,血性羊水の出現と骨盤位を適応に帝王切開分娩とした.児は,1,657g女児,Apgar score 9点であった.修正6ヶ月の時点で児発達に異常を認めていない.胎盤病理組織検査で,絨毛膜羊膜炎(CAM)は軽度であった.【考察】妊娠24週未満でpPROMをきたした16症例中,10例は破水後1週間以内に分娩となり,4例で破水後3週間以上在胎週数の延長が可能であった.長期在胎週数延長が可能であった症例には,羊水が清明で,子宮頸管が保たれ,子宮収縮が比較的軽度という特徴が認められた.妊娠24週未満のpPROMの予後は厳しいものの,CAMが軽度で限局している症例では,在胎週数の延長を期待できる可能性があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 328-328, 2010


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