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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩8 分娩体位と関連した会陰・腟壁裂傷の検討
平泉 良枝, 白銀 恵, 米澤 美令, 山下 恵理子, 菊池 芙美, 三浦 直美, 里見 操緒, 鈴木 俊治
葛飾赤十字産院産科
近年,妊産婦の主体性を重視した快適な分娩を目指すためのひとつとしてフリースタイル分娩を取り扱う施設も増えてきた.当院においてもいわゆるローリスク産婦に対して院内助産のシステムを導入し,フリースタイル分娩を行っている.一方,会陰に加わる負荷は分娩体位により異なることが報告されており,分娩体位と会陰・腟壁裂傷の関係は興味深いところである.今回我々は,当院で2008年4月より2009年3月までの1年間で分娩誘発などの医学的介入を必要としなかった初産婦のローリスク自然頭位分娩130例(仰臥位61例,側臥位37例,四つんばい32例)を対象として,各分娩体位における会陰・腟壁裂傷の発症部位等について比較検討した.2度以上の会陰裂傷は仰臥位,側臥位,四つんばいで各々74%,70%,75%,小陰唇裂傷は15%,16%,28%,腟壁裂傷のみの発症は6.6%,2.7%,3.1%であった.各体位においても会陰からは確認しづらい腟壁裂傷のみの発症例があり,分娩体位に関係なく産道裂傷確認には注意を要する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
343-343, 2010
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