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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
子宮頸がん
adenoid basal carcinomaの3例


武田 哲, 西村 良平, 渡邉 貴之, 加藤 清, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


子宮頸部adenoid basal carcinoma(以下ABC)は,閉経後の比較的高齢者に多くみられる稀な悪性腫瘍で,頻度は子宮頸癌の1%程度といわれている.我々は,3例のABC症例を経験したので報告する.<症例1>60歳2経産,閉経45歳.近医での子宮頸癌検診でスメアIV,punch biopsyにてinvasive squamous cell carcinoma(以下SCC)の診断となり当科紹介.準広汎子宮全摘術を施行し,術後診断は子宮頸癌stageIb,ABC associated with CISであった.<症例2>75歳2経産,閉経48歳.近医での子宮頸癌検診でスメアIIIbとなり当科紹介.punch biopsyにてinvasive SCCの診断.準広汎子宮全摘術を施行し,術後診断はABC with CISであった.<症例3>77歳2経産,閉経50歳.近医での子宮頸癌検診でスメアIIIbとなり当科紹介.punch biopsyにてCIN3.円錐切除術を施行しABC with CIN3(断端陽性).単純子宮全摘術を施行し術後診断はABC with microinvasive SCCであった.ABCは1966年にBaggish,Woodruffによってbasal cell carcinoma variantの扁平上皮癌として初めて記載され,組織学的には,細胞異型の弱いbasaloid cellが小型の充実性細胞巣を形成し,部位によっては扁平上皮や腺上皮様分化を示す浸潤性病変で,脈管浸襲やリンパ節,遠隔転移は稀であり,予後は一般に良好とされている.高率に上皮内癌を伴うことが多い.これら3症例の経過を紹介し,その細胞および組織所見について述べ,鑑別疾患についても考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 344-344, 2010


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