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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
子宮頸がん 広汎子宮全摘出術を施行した子宮頸部類内膜腺癌5症例の臨床経過
小山 壽美江, 宮本 真豪, 東 美和, 市原 三義, 飯塚 千祥, 石川 哲也, 森岡 幹, 長塚 正晃, 岡井 崇
昭和大学病院産婦人科
【目的】子宮頸部腺癌は子宮頸部原発癌のうちおよそ3−6%と報告され,腺癌のうち類内膜腺癌は粘液性腺癌についで頻度が高いとされている.今回,当院で広汎子宮全摘出術を施行した5症例について治療経過及び予後を報告する.【方法】2003年から2010年に当院で診断した6例の子宮頸部類内膜腺癌のうち手術を施行し得た5例について進行期,治療法,予後を検討した.【結果】年齢は35歳〜73歳,平均60歳であった.進行期は1b1期2例,1b2期1例,2b期1例,3b期1例で,全例に広汎子宮全摘出術を施行した.組織学的分化度はGrade1が4例,Grade2が1例であった.リンパ節転移陽性は2例,全例に脈管浸潤を認め,再発高危険群であったため,術後補助療法として化学療法を2例,Concurrent chemoradiotherapy(CCRT)を3例に行った.術後化学療法にはTC療法(paclitaxel+Carboplatin)を選択した.全5症例の観察期間は,2〜76ヶ月,中央値30ヶ月であった.再発例は1例,再発部位は局所再発及び骨盤リンパ節,傍大動脈リンパ節での再発で,術後補助化学療法としてはTC療法を選択した症例であった.術後補助療法としてCCRTを施行した3症例中リンパ節転移陽性例は1例であったが,再発は見られなかった.【結論】子宮頸部類内膜腺癌に対して広汎子宮全摘出術および術後補助療法を行った.術後補助療法として,化学療法を施行した2例のうち1例が再発したが,CCRTを行った症例は全例無病生存しており予後良好であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
346-346, 2010
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