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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
子宮頸がん 浸潤子宮頸部腺癌再発高危険群の術後補助療法に関する検討
鶴賀 哲史, 久保田 和子, 堀江 弘二, 荷見 よう子, 堀 慎一, 高橋 道子, 喜納 奈緒, 横田 治重
埼玉県立がんセンター婦人科
【目的】初回治療で手術治療を行った子宮頸部腺癌の再発高危険群に対する術後補助療法の実施基準とregimenについてコンセンサスは得られていない.当院で行っている頸部腺癌の術後補助療法(pN1または脈管侵襲(LVSI)強陽性例に対してMEP(Mytomicin C,Etoposide,Cisplatin)療法±放射線療法,pT2bまたは深筋層浸潤(DMI)例に対して放射線療法)の妥当性を検討した.【方法】2004年4月から2009年3月までに子宮頸部腺癌の初回治療として手術を行った症例を対象とした.臨床病理学的背景を調査し,予後をKaplan-Meier法により検討した.【結果】頸部腺癌64例(臨床進行期Ib1:40例,Ib2:5例,IIa:9例,IIb:10例)に対して初回治療として手術療法(準広汎子宮全摘:11例,広汎子宮全摘:53例)を行った.pN1症例が16例,LVSI強陽性症例が24例,pT2b症例が13例,DMI例が32例あり,再発高危険群に対し12例に放射線療法,10例にMEP療法+放射線療法,5例にMEP療法を術後補助療法として行った.13例に再発し,8例が原病死した.リンパ節転移の有無による有意な予後の差はなかったが,LVSI強陽性,pT2b,DMIを伴う症例は有意に予後不良であった.多変量解析ではLVSI強陽性が独立した予後不良因子であった.再発13例のうち骨盤内単独が11例であった.【考察】LVSI強陽性,pT2b,DMIを伴う症例に対して,放射線単独の術後補助療法を行ったが予後不良であった.一方pN1症例ではMEP療法を含む術後補助療法を行い,pN0症例と比較して有意な予後の差を認めず,既報と比較しても良好な成績であった.一般的に予後不良であるpN1症例に対するMEP療法の追加は妥当であったと考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
346-346, 2010
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