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<< 学会誌へ戻る 【緒言】血管肉腫は血管内皮細胞から発生する悪性腫瘍であり，肉腫のなかでは比較的少ないが，悪性度が高い．そのなかでも子宮から発生したものは極めて稀である．今回我々は，子宮に原発した血管肉腫の一例を経験したので報告する．【症例】41歳，2経妊2経産．下腹部痛を主訴に当院救急外来受診．卵巣出血，卵巣嚢腫茎捻転の診断で緊急手術を施行した．術中所見は子宮後壁右側に5cm大の変性した腫瘍と静脈性の出血を認めており，同部位の生検及び止血術を行い手術終了とした．腹腔内出血は1000mlであった．病理組織診断はHE染色で類円形の腫瘍細胞が増殖し，そのなかに赤血球を伴った不規則の網状の空隙を多数認めた．また免疫組織化学染色ではCD31陽性，Factor8陽性であり子宮原発の血管肉腫と診断し，腹式単純子宮全摘出術＋両側付属器切除術を追加で施行した．術中所見は，子宮後面とS状結腸が強固に癒着していた．摘出した子宮からも同様の診断であった．術後化学療法として，HEEP-DTIC（ハイドロキシウレア2000mg，ファルモルビシン60mg，ダカルバシン200mg×5日間，エトポシド100mg×5日間）を計3コース施行．3コース目終了後に下腹痛を認め緊急入院．骨盤内に腫瘍が増大し多量の腹水を認めた．腫瘍内出血による重症貧血，腎機能低下による全身状態の悪化により手術後約6か月で永眠となった．【考察】子宮血管肉腫という稀な疾患を経験したので，文献的考察を加えて報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 349-349, 2010 |
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