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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
胸・腹水,胸膜播種,リンパ節腫大から子宮肉腫IV期と診断した子宮筋腫の症例


富永 都子, 小曽根 浩一, 市川 良太, 高野 克己, 新井 ゆう子, 西田 正人
国立病院機構霞ヶ浦医療センター産婦人科


画像所見から子宮肉腫IV期と診断し手術を施行したが,非典型症状が術後に顕在化しSLE,ネフローゼ症候群を合併した子宮筋腫の症例と判明した.悪性を示唆する所見が術前に認められ診断と治療に苦慮した症例を経験したので報告する.既往歴;甲状腺癌.現病歴;38歳,未婚,0経妊0経産200X年,A大学病院にて巨大子宮筋腫を指摘された.月経過多,子宮温存希望があるためGnRHa療法を6ヶ月間施行.しかし腫瘍は縮小せず,貧血の改善も見られず両側下肢浮腫を認め,子宮全摘出術を勧められ当院を紹介初診された.MRIにて子宮巨大腫瘍,リンパ節腫大を認めた.鉄剤にて貧血は改善せず,下肢浮腫は徐々に増悪し歩行困難となり,食欲不振,悪心のため寝たきり状態となった.造影CTでは子宮平滑筋肉腫,右胸水貯留,右胸膜播種,両側腎盂尿管拡張,多発脾臓梗塞,傍大動脈リンパ節腫大,肝転移が疑われた.CTやMRIから子宮肉腫IV期が疑われたため子宮全摘術,右付属器切除術を施行した.手術時間は2時間30分,摘出子宮重量は1.4kg,出血量は1365g(腹水込み),輸血RCC6単位を施行した.術後より大量の粘調〜水様下痢,発熱を認めた.抗生剤による偽膜性腸炎を疑いCDチェックを施行するも結果は陰性であった.抗核抗体,抗DsDNA抗体,抗RNP抗体,抗Sm抗体陽性,頬部紅斑,顔面のびらん,白血球減少や貧血などの血液学的異常,胸膜炎,胸水貯留,心のう液貯留,腎障害よりSLE(診断基準6/11)と診断した.また術前は陰性であったが術後より尿蛋白が出現しネフローゼ症候群の診断に至りステロイドパルス療法を施行し症状の劇的な改善を認めた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 356-356, 2010


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