 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【緒言】後腹膜腫瘍は比較的稀な疾患である．今回，我々は術前画像診断で卵巣奇形腫と診断し，腹腔鏡下手術を施行したが，後腹膜発生の成熟嚢胞性奇形腫であった1例を経験した．また腹腔鏡下にて腫瘍切除可能であったので報告する．【症例】40歳，1経妊1経産，月経歴は28日型で整，14歳時虫垂炎で手術歴あり．他院にて右卵巣腫瘍を指摘され，当院紹介受診となった．骨盤MRI上，骨盤内腔右背側に40mm大の腫瘤を認め，T1強調画像で高信号，脂肪抑制画像で低信号を示し，右卵巣成熟嚢胞奇形腫が疑われた．腫瘍マーカーはCA19-9が41.8 U/mlと軽度高値を認めた以外は異常値を認めなかった．以上より腹腔鏡下手術を施行した．腹腔内を検索したところ，子宮と両側付属器は正常大であり明らかな異常は認めなかったが，右骨盤の後腹膜内に約4cm大の腫瘍を認めた．後腹膜を切開し腫瘍の周囲を慎重に剥離し腫瘍を摘出した．これを回収袋に収納し12mmポート部より体外へ摘出した．腹水細胞診は正常で，最終病理組織診断は成熟嚢胞性奇形腫であった．術後経過は良好で術後3日目に退院となった．【結語】卵巣腫瘍を疑った場合，稀ではあるが後腹膜腫瘍の可能性も考慮し精査する必要があり，また術前に明らかな悪性像が認められなければ，腫瘍径が比較的小さい後腹膜腫瘍に対しては腹腔鏡下摘出術の良い適応であるものと思われた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 360-360, 2010 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |