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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
腹腔鏡下手術
腹腔鏡下手術で性腺摘出術を施行したアンドロゲン不応症の姉妹例


尾崎 理恵, 菊地 盤, 地主 誠, 時田 佐智子, 松岡 正造, 熊切 順, 北出 真理, 竹田 省
順天堂大学産婦人科


【目的】Androgen insensitivity Syndrome(AIS)はX連鎖劣勢疾患であり,1/3が家族内発生である.染色体は46XYを示すが,アンドロゲン受容体の遺伝子変異により外性器の女性型や思春期2次性徴の異常を示す.今回我々は,腹腔鏡下で性腺摘出術を施行した姉妹の症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.【症例】症例は22,24歳の姉妹.(妹)9歳で鼠径ヘルニアの手術既往があり.原発性無月経を主訴に当院に来院した.腟は盲端で,腋毛・恥毛は欠如し,超音波検査・MRIで子宮を認めなかった.内分泌学的検査ではテストステロン・アンドロステジオン・LHは高値であり,染色体検査が46,XYであることより,AISの診断に至った.(姉)妹の同胞内検索を行った結果,姉が原発性無月経であることよりAISが疑われ,家族を通じ来院を勧めていたが,約1年は受診拒否していた.妹の性腺摘出術後,姉も当院受診し,外性器・内分泌学的検査が妹と同様の所見で,染色体が46, XYであることよりAISと診断した.それぞれ本人と家族に十分なインフォームドコンセントをした後に,腹腔鏡下性腺摘出術を施行.両者とも術後病理所見では悪性所見を認めず,現在は外来でエストロゲン補充療法を行っている.【結論】AISの同胞内発生のリスクは母の遺伝学的状況によるため,母が保因者である場合に子は50%の確率で変異遺伝子を受け継ぐ.また病因となる遺伝子変異が明らかである家系では変異解析による保因者診断が臨床的に可能でもある.よって,AISでは同胞内発生の検索は重要であり,疾患の告知については慎重に行い,十分なインフォームドコンセントと患者および家族ともども精神面での支援も必要であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 361-361, 2010


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