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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
婦人科その他
続発症との鑑別にDNA診断が有用であった反復奇胎の一例


碓井 宏和, 木原 真紀, 加来 博志, 植原 貴史, 平敷 好一郎, 加藤 一喜, 楯 真一, 三橋 暁, 生水 真紀夫
千葉大学産婦人科


【症例】患者は25歳(3経妊2経産),最終月経より11週3日に,胞状奇胎妊娠の疑いで紹介された.血中hCG値(192,108 IU/L)と超音波所見から,胞状奇胎を疑いD&Cを施行した(12週0日).肉眼的・組織学的に全胞状奇胎と診断された.初回D&C後47日目のhCG値は2.5 IU/Lと低下していたが,その後は来院しなかった.D&Cより173日目に,嘔気を伴う無月経を主訴に再来した.月経周期は不順であったが,最終月経からは6週0日に相当した.コンドームを使用して避妊を行った性交渉が1度あった.子宮内膜は肥厚し,hCG値も上昇(10,584 IU/L)していたが胎嚢は認めなかった.1週間後,hCG値は19,857 IU/Lに上昇,子宮内には胎嚢とは異なる異常陰影を認め,D&Cを行った(最終月経から7週0日,初回D&Cから27週6日).肉眼的には脱落膜のみと考えられたが,実体顕微鏡下の観察では少数の腫大した絨毛を認めた(2mm未満).病理診断は全胞状奇胎であった.胸部CTでは肺には明らかな病巣を認めなかった.本学倫理委員会で承認されている研究「胞状奇胎が疑われる異常妊娠におけるDNA多型解析」への患者・夫の同意の上,初回奇胎,2回目の絨毛,患者および夫白血球DNAのSTR多型(16ローカス)を比較した.初回は雄核発生1精子受精奇胎,2回目は雄核発生2精子受精奇胎であり,反復奇胎と診断した.hCGの推移パターンは経過順調型であり外来管理中である.【まとめ】続発症を疑い子宮内腔病変を認めた場合には,D&Cを行い,病理組織学的診断を確認することが大切である.また,奇胎組織の遺伝学的解析は反復奇胎の診断に有用であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 365-365, 2010


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