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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
婦人科その他
統合失調症患者と婦人科悪性腫瘍


中村 優子, 小貫 麻美子, 小宮 春奈, 前山 哲朗, 野口 里枝, 道上 大雄, 越智 寛幸, 岡田 智志, 水口 剛雄, 松本 光司, 佐藤 豊実, 沖 明典, 吉川 裕之
筑波大学附属病院産婦人科


統合失調症と婦人科悪性疾患との合併症例を検討しその特徴を把握するとともにその問題点を抽出する.1992年6月より2009年4月までに婦人科悪性疾患と診断し当院で治療を行った19名を対象としカルテより疾患・進行期・治療内容・初回治療からの生存期間・最終生存確認日などの項目について検討した.また対照群として当院で2007年に治療された婦人科悪性腫瘍症例を用いた.子宮体癌11名(62%)と最も多く,卵巣癌6名(25%),子宮頸癌2例(13%)の順であった.一方対照群では子宮頸癌79例(45%),子宮体癌64例(37%),卵巣癌32例(18%)の順であった.診断時の進行期は子宮頸癌が全例IV期,卵巣癌が全例IIIc期以上と進行癌であったのに対し子宮体癌はI期が4例,II期が2例,III期以上が4例と様々だった.受診契機は不正出血や腹満などの進行癌症例でみられる自覚症状が多く,検診で発見された症例はなかった.子宮頸癌に対する治療は2例ともCCRTで治療が完遂できた.子宮体癌・子宮内膜増殖症に対する治療は10例中全例で手術が行われ,化学療法を追加したのは3例,放射線療法は2例であった.卵巣癌・LPMに対しては5例で手術を施行し化学療法を施行したのは5例であった.各疾患でのover-all survivalは子宮頸癌8か月,子宮体癌30.2か月,卵巣癌27.5か月であったが,担癌・無病問わず1年以上受診のない症例は7例であった.子宮体癌が最も多く子宮頸癌は少ない傾向がみられた.全てに不正出血などの自覚症状があり進行症例が多かった.精神疾患が原因で治療中止となる症例はなかったが退院後の経過観察脱落例が多く今後の課題である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 365-365, 2010


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