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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
異所性妊娠 間質部妊娠に対して腹腔鏡下にCornuostomyを施行した1例
三村 貴志, 石川 哲也, 飯塚 千祥, 宮本 真豪, 市原 三義, 森岡 幹, 長塚 正晃, 岡井 崇
昭和大学産婦人科
間質部妊娠は,異所性妊娠のうちの2〜4%で,正常妊娠5000人に対し1〜2人とまれな疾患であるが,近年,ARTやクラミジア感染の増加により頻度は上昇しつつある.一方,死亡率は2.5%で,他の異所性妊娠と比較して約7倍も高い.今回,我々は間質部妊娠に対して,子宮への損傷が少ないとされる間質部を線状に切開して絨毛組織を摘出するCornuostomyをおこない根治した症例を経験したので報告する.症例は30代の女性で,1回経妊0回経産,前回左卵管妊娠にて開腹手術(左卵管切除術)の既往がある.他院にて体外受精をおこなっていたが,妊娠にいたらず治療を中止していた.約1年後,市販の妊反検査が陽性となったため前医を受診し,間質部妊娠(6週相当)が疑われ当院紹介となった.尿中hCGは1521U/ml,経腟超音波にて右間質部妊娠と診断し,緊急入院とした.翌日に尿中hCGが15999U/mlと上昇し,再度経腟超音波検査をおこなったところ,児心拍を認めたため,緊急腹腔鏡手術となった.腹腔内はクラミジア感染による膜様の癒着がひどく,卵管はとぐろ状を呈し,子宮後壁と癒着していたが腫大はなかった.間質部が軽度腫大し,腹腔内出血はなく未破裂の状態であった.間質部にバソプレッシンを局注後,線状に横切開を加え胎嚢を摘出して,同部位を縫合し,手術終了とした.術後の経過は良好で,術後5日目に退院し,退院後1週間で尿中hCGは153U/mlと順調に低下した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
371-371, 2010
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