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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
産褥
止血困難な腟血腫に対して経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)が有効であった1例


谷口 智子, 間崎 和夫, 前村 俊満, 長島 克, 大路 斐子, 吉田 義弘, 松江 陽一, 宗 晶子, 青木 千津, 竹下 直樹, 田中 政信, 森田 峰人
東邦大学医療センター大森病院産婦人科


近年産婦人科領域において経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization;TAE)の報告が増加している.今回経腟分娩後に形成された腟血腫に対し,TAEを施行し奏功した1例を経験したので報告する.症例は33歳,3回経妊0回経妊.近医にて妊娠高血圧症候群のため妊娠38週3日で分娩誘発を行い,分娩時間3時間53分で2,668gの児を経腟分娩した.右側正中会陰切開縫合術30分後に腟血腫が形成され,再縫合したが止血されず1,000ml以上の出血を認めたため当科に搬送された.入院時の内診所見は右腟壁に新生児頭大の腟血腫を認め,激しい疼痛を伴っていた.血圧141/71mmHg,脈拍100回/min,意識清明,血液検査はWBC14,300/μl,Hb6.8 g/dl,PLT12.4万/μl,骨盤CT検査では約12cm×8cm大の腟血腫像を認めた.保存的治療や再縫合では止血困難と判断し,TAEを施行した.血管造影において右腟動脈および右子宮動脈上行枝からの出血を確認,右子宮動脈および腟動脈を塞栓し止血を確認した.塞栓後に約300mlの凝血塊を摘出したがその後の新たな出血は認めなかった.血腫形成部にペンローズドレーンを挿入し,腟壁再縫合術を行った.手術終了までに濃厚赤血球10単位,新鮮凍結血漿6単位を輸血した.術後4日目には明らかな出血を認めないためドレーン抜去し,術後5日目に前医へ転院となった.TAEは止血困難な腟血腫に対して有効であり選択すべき方法の1つであると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 376-376, 2010


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