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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
産褥
不全子宮破裂による大量出血後,意識障害をきたしたSheehan症候群の一例


古野 敦子1), 石寺 由美1), 北川 雅一1), 山口 瑞穂1), 尾堀 佐知子1), 田野島 美城1), 長瀬 寛美1), 斉藤 圭介1), 沼崎 令子1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学附属病院産婦人科2)


Sheehan症候群は産科的ショックによりひき起こされる汎下垂体機能不全であり,多様な症状を呈する.今回我々は,不全子宮破裂による出血性ショックから回復したものの,産褥8日目に低Na血症による意識障害を生じ,精査の上Sheehan症候群と診断した1例を経験した.【症例】38歳,3経妊1経産.妊娠39週0日,前医にて硬膜外麻酔による和痛分娩およびオキシトシン点滴による分娩誘発中,子宮口全開大後,variable deceleration頻発,NRFSの診断でクリステレル児圧出法併用の上,吸引分娩を2回施行し,児娩出.分娩後1時間の出血量は80gであったが,分娩後2時間で性器出血多量にて意識消失の状態となり,弛緩出血による出血性ショックとして当院へ搬送された.搬送時,GCS E1VTM,血圧測定不能,脈拍129bpm,瞳孔散大.子宮収縮は良好,子宮頸管浅部に裂傷なく,経腹超音波で腹腔内出血を疑う所見を認めないが,子宮口より大量の流出血が持続するため,不全子宮破裂と診断.大量輸血を行い,血圧測定可能となったが,著しい血液凝固異常のため子宮摘出は危険と判断し,子宮動脈塞栓術を行い止血した.その後経過は良好で産褥7日目に退院.産褥8日目「呂律がまわらない,ねぎを持ったまま冷蔵庫の開閉を繰り返す」といった異常行動を認め受診,血清Na117mEq/lと低Na血症を認めたため緊急入院.ストレス下にも関わらずコルチゾール低値であることから大量出血による副腎機能低下を疑い,各種負荷試験を施行.汎下垂体機能低下を認め,Sheehan症候群と診断した.現在ステロイド内服にて全身状態は落ち着いている.分娩時大量出血後の意識障害ではSheehan症候群による重篤な電解質異常を念頭に置く必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 377-377, 2010


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