|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
【原著】
巨大卵巣腫瘍に対する腹腔鏡補助下卵巣嚢腫核出術laparoscope-assisted ovarian cystectomy(体腔外法)の工夫―長径29 cmの卵巣嚢腫を経験して―
稲葉 不知之, 北澤 正文, 稲葉 未知世, 亀森 哲, 林 正路, 深澤 一雄, 稲葉 憲之
獨協医科大学医学部産科婦人科
内視鏡手術は術式として普及し,患者からの選択希望も多くなりつつある.当院でも良性卵巣腫瘍に対しては積極的に内視鏡手術を選択している.今回,術前診断で悪性の可能性が低いと判断した長径29 cmに及ぶ多房性卵巣嚢腫に対して,インフォームドコンセントを得て,嚢腫壁そのものを回収袋とすることで嚢腫内嚢腫の内容液漏出防止に重点をおいた腹腔鏡補助下卵巣嚢腫核出術(体腔外法)を施行した.術後に境界悪性型と診断に至ったため残存卵巣の追加切除をおこない,現在まで再発を認めていない.本症例より得られた問題点を整理し,嚢腫内嚢腫を腹腔外で縮小する術式について文献的考察を踏まえて報告する.
Key words:laparoscope-assisted ovarian cystectomy, device, borderline malignancy
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(4)
383-389, 2010
|