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【特集】
経腟超音波およびMRI画像により子宮角部妊娠と診断し,MTX療法が奏効した1例
米澤 美令, 深見 武彦, 野口 唯, 島田 博美, 佐藤 杏月, 倉品 隆平, 坊 裕美, 奥田 直貴, 立山 尚子, 西田 直子, 松島 隆, 土居 大祐, 可世木 久幸, 朝倉 啓文
日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科
子宮角部妊娠(以下角部妊娠)は妊卵が子宮角部に着床し,当該部位で限局性に発育するものである.早期診断が困難な上に時に生命を脅かす重篤な産科合併症を併発する危険がある.今回我々は経腟超音波及びMRI画像により角部妊娠と診断し,Methotrexate(以下MTX)投与により良好な経過を辿った一例を経験したので,文献的考察も含めて報告する.症例は28歳,1回経妊0回経産.他院にて最終月経より6週で妊娠の診断となるが,胎嚢(以下GS)は確認できなかった.同8週にてもGSを同定できず尿中hCG半定量にて1,000 IU/l陽性,性器出血もあり子宮外妊娠を疑われ,当科紹介となった.初診時経腟超音波にて肥厚した子宮内膜とともに子宮底部左側に3 mmのGS様エコー像が認められ,血中hCG値は7,887 mIU/mlであった.入院翌日子宮内容除去術を施行したがGS様エコー像は除去できず,内容物中に絨毛を確認できなかった.術後1日目の血中hCG値は8,325 mlU/mlであった.術後2日目の経腟超音波ではGS様エコー像のある左子宮角部付近の腫大がみられた.同日に施行したMRIでは,T2強調画像にて左子宮角部に内膜とは異なる高信号領域が描出され,絨毛の存在が示唆された.以上より角部妊娠と診断し術後3日目(血中hCG値11,918 mIU/ml)にMTXを筋注投与(50 mg/m2)した.その後hCG値は順調に低下し,術後1日目には退院し,同19日目には血中hCG値は13 mIU/mlとなり,超音波画像上も左子宮角部は正常となっていた.
Key words:angular pregnancy, ectopic pregnancy, MTX
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(4)
469-473, 2010
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