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【原著】
帝王切開瘢痕部妊娠3症例の臨床的検討


香川 愛子1), 吉田 浩1), 鈴木 靖子1), 古野 敦子1), 榎本 紀美子1), 長野 研二1), 山口 瑞穂1), 佐藤 綾1), 岡本 真知1), 村瀬 真理子1), 石川 雅彦1), 平原 史樹2)
1)横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科, 2)横浜市立大学附属病院産婦人科


 帝王切開瘢痕部妊娠の治療方針は小規模な調査研究や症例報告に基づいており,診断・評価・管理のための最善のアプローチを決定することが難しいのが現状である.今回,我々は反復例を含め,子宮温存可能であった瘢痕部妊娠を3例経験した.症例1は27歳,3経妊2経産.妊娠6週で瘢痕部妊娠と診断し,MTX(メソトレキセート)を胎嚢内に局注し治癒したが,月経再開から4か月後に再度瘢痕部妊娠となった.瘢痕部に血腫を認めたが血中hCG 895.4 mIU/mlであり,経過観察により自然治癒に至った.症例2は33歳,2経妊2経産.妊娠6週で瘢痕部妊娠と診断し,MTXを胎嚢内に局注した.血中hCG値の下降不良を認め,1週後にMTXを再度局注し治癒した.症例3は40歳,3経妊2経産.前医で11週1日,進行流産の診断で子宮内容除去術を施行.施行中に出血性ショックとなり当院へ搬送.前医の超音波検査から瘢痕部妊娠と考えられた.濃厚赤血球(RCC)4単位の輸血を要した.月経再開から4.5か月後に自然妊娠し37週で選択的帝王切開となった.上記3症例に子宮鏡検査を行ったがいずれも瘢痕部には白色線維様組織が付着していた他,特異的所見は認めなかった.帝王切開瘢痕部妊娠の治療はいまだ一定のプロトコールが示されておらず,さらなる症例の検討が必要である.さらに治癒後の妊娠時期,予後因子についてはなおも不明な点が多く今後の検討課題と考える.

Key words:cesarean scar pregnancy, methotrexate, hysteroscopy

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 48(1) 3-9, 2011


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