|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
【特集】
一絨毛膜一羊膜双胎の管理
山田 響子, 大西 庸子, 新井 詠美, 金井 雄二, 望月 純子, 庄田 隆, 天野 完, 海野 信也
北里大学病院総合周産期母子医療センター
一絨毛膜一羊膜(MM)双胎は一卵性双胎の1%と頻度は稀であるが,周産期死亡率が高いことが問題である.しかしながらMM双胎の管理方法や分娩時期について一定の見解は得られていない.我々が経験した8組のMM双胎症例の周産期予後から,管理方法について検討を加えた.8組中22週以降まで妊娠継続したのは6組で,うち生児を得たのは5組であった.6組中4組で臍帯相互巻絡を認め,1組は26週で臍帯相互巻絡により子宮内胎児死亡となった.生児を得た5組は全例産科的適応で入院管理を行った.入院後は胎児心拍数陣通図(CTG)モニタリング,超音波検査による厳重な胎児監視を行い,平均分娩週数は30週(24〜34週)で全例帝王切開術を行った.24週で出生した1例が三尖弁形成不全により日令1に新生児死亡となったがその他の児は予後良好であった.MM双胎ではどの週数でも臍帯相互巻絡による臍帯循環障害を生じ得る.26週以降,積極的な入院管理を考慮し,CTGモニタリング,超音波断層法による厳重な胎児監視が不可欠で,子宮収縮抑制を行い,34週頃に予定帝王切開とすることで良好な結果が得られる可能性がある.
Key words:twin pregnancy, monoamniotic twin, umbilical cord, cord entanglement
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 48(1)
63-66, 2011
|