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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
腸管内膜症で腹腔鏡下に摘出した10症例の腸管に対する病変の広がりと腸管の形態変化に対する病理学的検討


地主 誠, 北出 真理, 菊地 盤, 熊切 順, 松岡 正造, 尾崎 理恵
順天堂大学産婦人科


【目的】腸管内膜症は月経困難症状だけでなく,排便痛や下血等の消化器症状を惹起する子宮内膜症の最重症型である.摘出手術そのものが困難であり,その病態には不明な点が多い.腹腔鏡下低位前方切除術により得られた腸管における内膜症組織の分布から病変の広がりと形態変化について検討した.【方法】症状と画像診断で腸管内膜症と術前診断し,腹腔鏡下低位前方切除術を施行した10例(35.1±4.6歳)を対象とした.摘出した腸管の最も狭窄した部分(主病変)を中心に,縦方向(口側から肛門側)に標本を作成した.間質を伴った内膜腺(内膜島)を1つの内膜島とし,病変の深さは外縦筋層,内輪筋層,粘膜下層,粘膜面の4層に分け,広がりは主病変から口側,肛門側に2cm毎に分割し,それぞれに存在する内膜島の数をカウントした.さらに筋層の肥厚を検討する目的で,腸管の正常部と狭窄部に存在する内輪筋層と外縦筋層の厚さを計測した.【成績】全ての症例において,腸管壁の内膜症主病変周囲に漿膜襞の癒合と筋層の肥厚による前壁の陥入とこれによる狭窄が認められた.内膜島の数は外縦筋層から粘膜面に到るほど漸減し,腸管軸方向への広がりは主病変からの距離に反比例して減少する傾向にあったが両側のマージン付近まで広く分布していた.筋層は,狭窄部の内輪筋層では正常部に比べて3.4±1.6倍,外縦筋層で11.2±3.3倍に肥厚していた.【結論】腸管内膜症病変は漿膜面から直接浸潤し,広範囲に広がる可能性が示唆され,また主病変を中心に形態の変化も伴っていた.低位前方切除に際しては病変部だけでなく十分にマージンを取って切除することが不可欠であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 164-164, 2011


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