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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
当院における子宮内反症についての検討
青木 藍子, 竹田 善治, 松井 大輔, 湯 暁暉, 小山 哲, 檜垣 博, 鶴賀 香弥, 川名 有紀子, 中山 摂子, 坂元 秀樹, 安達 知子, 中林 正雄
愛育病院産婦人科
【緒言】子宮内反症はまれな疾患であり,早期診断が難しいものの1つである.当院における子宮内反症例を後方視的に検討した.【方法】2002年1月から2011年2月までに当院で経腟分娩となり,子宮内反症と診断された9症例について検討した.【結果】産婦の年齢は28〜40歳.初産婦は7例,経産婦は2例.6例は,前期破水,予定日超過などの理由によりプロスタグランディンを用いた分娩誘発を行っており,分娩誘発症例では非誘発症例に比べ有意に高率であった(P<0.01).NRFS により急速遂娩となった症例は1 例あり,クリステレル併用の鉗子分娩であった.子宮内反症例での,分娩第3 期の所要時間は9〜24 分で,正常経腟分娩に比べ,有意に延長していた(P<0.01).子宮内反を疑った時期は,胎盤娩出中が5 例,胎盤娩出後が4 例であり,全例が非観血的に還納可能であった.診断から還納までの所要時間は前者では平均7.40 分,後者では7.25 分.出血量平均は前者では857 g,後者では2682g.危機的出血量1000 g 以上の症例は前者1 例,後者3 例の計4 例であった.再内反症例は後者の1 例のみに認められた.【結語】子宮内反症例は早期に診断することが出血量減少につながることより,分娩第3 期にやや時間のかかる症例では,本症を念頭において胎盤娩出の操作をすることが必要である.また促進剤の使用はリスク因子と考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
171-171, 2011
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