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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
当院における若年子宮体癌温存療法症例の検討


千田 裕美子, 宇津 正二, 望月 修
聖隷三方原病院産婦人科


【目的】近年,子宮体癌は増加傾向にある.中でも40歳未満の若年体癌は,妊孕性温存を希望する患者が多い事から,治療方法の選択に苦慮することがある.今回,当科で経験した若年子宮体癌症例の臨床的特徴と子宮温存療法の成績について明らかにする事を目的とした.【方法】1998年から2010年までの12年間において当院で経験した21名の若年子宮体癌,及び3名の若年異型子宮内膜増殖症例のうち,子宮温存療法を選択した10症例を対象とし,その患者背景・画像診断・病理診断・治療方法・臨床経過・予後などの関係について,後方視的に検討を行った.【成績】10名の温存療法選択症例に対しては,高容量黄体ホルモン(medroxyprogesterone acetate:以下MPA)療法を施行し,そのうち1名が結果的に手術療法に至り,2名が妊娠・出産に至っている.MPA療法の初回の病理的寛解までの平均期間は18.83週(8週〜32週)であった.全例が,現在無再発経過観察中であり,死亡例はない.【結論】若年体癌の予後は良好で,患者によっては子宮温存療法も選択し得るが,MPA療法は寛解まで予想外に時間を要し,再発を反復する場合もある為,治療継続期間に関する慎重な検討と,そのリスクに関する十分な説明が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 176-176, 2011


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