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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
不妊外来で遭遇しうる子宮内膜増殖症・子宮体癌 ―細胞診は有用か?―


峯 克也, 小野 修一, 渋井 庸子, 阿部 崇, 市川 智子, 富山 僚子, 桑原 慶充, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科


子宮内膜増殖症,子宮体癌は,子宮摘出に至ることもあり,生殖医療にとって脅威となる疾患である.これらの疾患を呈した生殖年齢患者の臨床的特徴を検討した.2007年より当科において子宮内膜増殖症以上の病変を呈した40歳以下の11症例を解析対象とした.単純型子宮内膜増殖症2例,複雑型子宮内膜増殖症2例,複雑型異型子宮内膜増殖症4例,子宮体癌3例を認めた.主訴は不妊が4例,不正出血が4例,過多月経が2例であった.9症例が未経妊,年齢は29.6±5.2歳,7例に月経不順を認め,5例は多嚢胞性卵巣であった.子宮内膜の厚さは16.2±6.5mmで,FSH:LH値は7.3±1.4 mIU/ml:8.0±6.3mIU/mlであった.細胞診にて疑陽性以上の所見を得たものは4例(42%)にすぎず,細胞診以外の適応で組織診を施行したものは,多発ポリープ3例,子宮内膜肥厚3例で,組織診前の細胞診はいずれも陰性であった.子宮体癌1例,複雑型異型子宮内膜増殖症4例に対し黄体ホルモン療法を施行した.3例の子宮内膜は正常化したものの,1例が投与後も病変が消失せず,また1例は再発し2症例ともに子宮摘出となった.単純型子宮内膜増殖症1例,複雑型異型子宮内膜増殖症2例に妊娠を認め,いずれも体外受精による妊娠であった.複雑型子宮内膜異型増殖症以上の病変の基本治療は子宮摘出であり,子宮温存を目指すホルモン療法の適応は子宮体癌Ia高分化型までと限られている.子宮内膜組織診は不妊患者に施行しやすい検査とはいえない.しかしながら月経異常を伴うことの多い不妊患者は,これらの疾患のハイリスク群でもあることを今一度認識し,子宮内膜肥厚やポリープを認めた際は,細胞診が陰性であっても組織診を考慮すべきである.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 177-177, 2011


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