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<< 学会誌へ戻る 【はじめに】異型ポリープ状腺筋腫は，子宮腔内に発生するポリープ状の良性腫瘍で，30歳代後半から40歳代に好発する．稀な疾患であるが，近年その報告例が増えつつあり，しばしば高分化型類内膜腺癌との鑑別が問題となっている．今回我々は，子宮内膜癌の合併がみられた異型ポリープ状腺筋腫の1例を経験したので報告する．【症例】年齢は40歳で，1経産であり，不正性器出血を主訴に来院した．MRIのT2強調画像で，子宮体下部から頸部にかけて子宮筋層よりやや高信号を示す約3cm大の境界明瞭な腫瘤が認められたため，子宮内膜癌を疑ったが，頸管細胞診では悪性所見が得られなかった．腫瘍マーカーはCA 125 20 U/ml，CA 19-9 10 U/ml といずれも正常域であった．妊孕性温存の希望がなかったため，手術の方針とした．まず，子宮を摘出し，迅速診断を行ったところ腺癌と診断された．そのため，両側卵管・卵巣摘出および骨盤リンパ節郭清を追加した．摘出子宮では子宮体下部に約2 X 3 cm 大のポリープ状腫瘤が見られ，組織学的には内膜腺および平滑筋性間質の増生が確認された．内膜腺は種々の程度の構造・細胞異型を示し，一部では腺上皮の重層化，不規則な分枝状・乳頭状配列が見られ，高分化型類内膜腺癌と診断された．わずかに子宮体部筋層浸潤も確認された（Ib 期）．この部位の腫瘍細胞の核ではp 53 染色も陽性を示し，腺癌の診断を裏付けた．すなわち，異型ポリープ状腺筋腫から発症した類内膜腺癌と考えられた．【結論】異型ポリープ状腺筋腫は，子宮内膜に発生する良性腫瘍であるが，内膜癌を合併することがあり，その診断および管理には慎重さが要求される． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 178-178, 2011 |
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