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<< 学会誌へ戻る 子宮癌肉腫は，上皮性成分と間葉性成分がともに悪性である極めて予後不良の腫瘍であり，子宮内腔を充満するポリープ状の隆起性病変を形成し，しばしば子宮口より外へと突出する．今回，子宮筋腫分娩に子宮癌肉腫が併存した症例を報告する．症例は，60歳，1経産，不正出血，筋腫分娩で紹介．腟鏡診では筋腫分娩様の腫瘤2個が認められ，MRIで信号の異なる2つの径5cmの腫瘍像を呈した．腫瘍表面の擦過細胞診は陰性であった．同意を得て腫瘤2個を経腟的に切除したところ，1個は脂肪組織の増生とともに紡錘形細胞が束状に増殖する脂肪平滑筋腫であり，もう1個は紡錘形細胞を混じて異型核の細胞が充実性に増殖する癌肉腫という組織診断であった．6週間後に腹式単純子宮全摘術，両側付属器切除術を施行し，その組織診断は子宮体部の漿液性腺癌の残存が認められ，進行期はIb期であった．現在，追加療法を勧めているところである．当院の過去5年間の筋腫分娩切除25例中，悪性が2例（8%）あった．子宮癌肉腫や腺肉腫は子宮頸管ポリープや筋腫分娩と鑑別が必要な場合がある．特に，閉経後で急速に増大するポリープ状の腫瘤や再発する子宮頸管ポリープの場合は肉腫を鑑別に入れる必要がある．当院の子宮癌肉腫例の検討を含め報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 179-179, 2011 |
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