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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
診断に苦慮した膀胱子宮内膜症の一例


小松 央憲, 井上 千春, 諏訪 裕人, 中里 智子, 今井 文晴, 岸 裕司, 五十嵐 茂雄, 峯岸 敬
群馬大学医学部附属病院産婦人科


【緒言】子宮内膜症は閉経前女性の約1割に生じるが,膀胱に生じるものはその1%以下と非常に稀である.今回我々は診断に苦慮した膀胱子宮内膜症の症例を経験したので報告する.【症例】34歳,女性.0経妊0経産.月経困難症,月経時の排尿時痛を主訴に他院受診し,2010年7月精査加療目的に当院紹介.経腟超音波にて,膀胱を後壁側より圧排する2cm大の腫瘤を認めた.この腫瘤はMRI上T1強調画像で内部に高信号領域を伴う等信号,T2強調画像で低信号領域の内部に点状の高信号を示した.その他骨盤内には両側に約3cm大の内膜症性嚢胞を認めた.泌尿器科コンサルトしたが,膀胱鏡において膀胱粘膜面に明らかな腫瘤形成を認めず,膀胱腫瘍は否定的であることから当初子宮前壁漿膜下筋腫が膀胱側へ突出していると診断した.GnRHa療法を約4ヶ月施行した後,腹腔鏡下筋腫核出を予定したが,術前に再度行った超音波にて腫瘤が膀胱子宮窩腹膜外側に存在する所見を認めたため,子宮由来ではない膀胱子宮内膜症の可能性も考え,泌尿器科医待機下に同年11月腹腔鏡下手術施行.膀胱子宮窩膀胱側に径2cm大の腫瘤が存在し切除したが,この際膀胱壁の穿孔を来したため,泌尿器科医により縫合.両側卵巣表面には内膜症性病変を認めたためこれを焼灼した.術後尿道カテーテル6日間留置し,経過良好にて術後7日目に退院.摘出標本の組織診断で子宮内膜症であることを確認した.【結語】膀胱子宮内膜症は月経時に増悪する排尿時痛,血尿,頻尿などの膀胱刺激症状を臨床症状として有する.このような症状に随伴し膀胱周囲に腫瘤性病変を認めた場合には,膀胱子宮内膜症の可能性を念頭に診察にあたる必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 180-180, 2011


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