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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
造影CTで判断した漿膜下子宮筋腫茎捻転の一例
多胡 佳織, 矢崎 淳, 井上 和子, 栗原 務, 太田 克人, 伊藤 理廣
社会保険群馬中央総合病院産婦人科
子宮筋腫は産婦人科臨床で日常よく遭遇する疾患であるが,炎症・変性等を生じなければ子宮筋腫自体が急性腹症の原因となることは少ない.漿膜下子宮筋腫茎捻転は比較的まれな疾患であるが,急性腹症として来院し緊急手術となることがある.今回われわれは,CTで子宮筋腫梗塞が疑われた巨大な漿膜下子宮筋腫茎捻転の症例を経験したので報告する.【症例】42歳女性,1経妊,1経産.既往歴に特記すべきことなし.月経周期14日目の夜より突然の下腹部痛出現.翌日,近医産婦人科受診.下腹部に凹凸のある巨大腫瘤を触れ,子宮筋腫に起因する疼痛を疑い当院紹介.診察上,下腹部に双手拳大の腫瘤を触れ,子宮筋腫もしくは卵巣腫瘍茎捻転,子宮筋腫感染等が疑われ,精査・加療目的に緊急入院となった.腹部造影CTでは,子宮底部より連続する20×15×7cm大の分葉状の巨大腫瘤あり,子宮は造影効果を認めるが腫瘤内部は造影されず,両側卵巣は正常に確認できたため,子宮筋腫茎捻転に伴う梗塞の診断となり緊急開腹手術の方針となった.開腹すると,子宮底部より有茎性に発育する小児頭大の漿膜下筋腫を認め,茎部は径1cmで約180度時計回りに捻転しており,筋腫は暗紫色に変色し梗塞に陥っていた.その他多発筋腫を認めたため,子宮温存せず単純子宮全摘術を施行した.経過順調にて術後8日目に退院となった.病理診断はleiomyomaで,梗塞が認められたが凝固壊死には陥っていなかった.漿膜下子宮筋腫茎捻転に関し,文献的検索を加えて報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
184-184, 2011
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