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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
プロテインS欠乏症合併妊娠において産褥期に発症した深部静脈血栓症の一例


三島 典子1), 成田 篤哉2), 佐藤 茂1), 三塚 加奈子1), 高橋 千果1), 松本 直3), 近藤 朱音1), 杉 俊隆4), 石本 人士1), 和泉 俊一郎1), 三上 幹男1)
東海大学医学部専門診療学系産婦人科1), 東海大学八王子病院産婦人科2), 慶応義塾大学産婦人科3), 杉ウイメンズクリニック産婦人科4)


【諸言】深部静脈血栓症は致死的な肺塞栓症の原因となり,周産期における重篤な合併症の一つである.今回我々は,プロテインS欠乏症合併妊娠において,産褥期に発症した深部静脈血栓症の一例を経験したので報告する.【症例】31歳,3経妊1経産.反復流産の既往があり前医にて精査した結果,プロテインS抗原量の低下(52%)が認められた.これに対し,今回妊娠初期より低用量アスピリン療法およびヘパリンカルシウム療法が施行され,妊娠13週3日,周産期管理目的にて当院紹介受診となった.妊娠経過は概ね良好であり,妊娠38週0日,経腟分娩にて男児を出産した.血栓症予防として産後よりダルテパリンナトリウムの投与を行ない,経過良好にて産褥5日目に退院となった.退院後,インフルエンザウィルスに罹患し自宅療養にて軽快したが,一方で,右下肢の疼痛を自覚し当院受診した.血液検査においてD―ダイマーおよびFDP値の上昇と,下肢超音波検査において右ヒラメ静脈に多数の血栓が認められ,以上より深部静脈血栓症の診断にて入院となった.入院後,ヘパリンナトリウムおよびワルファリンカリウムの投与を開始し,以後自覚症状は改善した.ワルファリンカリウムの内服量のコントロールも良好であり,11日目に退院となった.現在当院循環器内科にて経過観察中である.【結語】血栓症予防を行なっていたにもかかわらず深部静脈血栓症を発症したプロテインS欠乏症合併妊娠の一例を経験した.本症例では出産後のインフルエンザ感染による臥床と脱水が血栓症の発症要因と思われる.血栓症の血清学的な要因を持つ妊産褥婦においては,退院後の生活指導なども含め,より慎重な管理が重要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 186-186, 2011


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