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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
左外腸骨静脈血栓症を管理しながら巨大卵巣がんの治療をおこなっている1症例


河原井 麗正, 堀田 大輔, 豊田 友子, 前 和幸, 南郷 周児, 内藤 威
長野県立須坂病院産婦人科


【緒言】深部静脈血栓症(以下DVT)や,その血栓が原因となる肺血栓塞栓症(以下PTE)といった静脈血栓塞栓症(以下VTE)は最近わが国でも増加している.PTEは一度発症すれば重症となる.VTEの予防が重要である.今回われわれは,急速に増大した卵巣がんとともに左外腸骨静脈血栓症がすでに発症していた症例を経験した.新たなDVT再発の予防を図りながら腫瘍摘出術をおこない,周術期管理した.【症例】69才.変形性関節症あり松葉杖を用いて歩行している.3経妊3経産.性器出血を主訴に当科初診した.子宮頚管・内膜の細胞診をおこなったが異型(悪性)細胞は認められず.付属器に異常なし.左下肢に静脈うっ滞性潰瘍があり,当院形成外科で硫酸ポリミキシンBを塗布され軽快した.3ヶ月後の当科再来で初めて15cm程の骨盤内腫瘤を認めた.CA125は215.8U/mlであった.両下肢とも大腿まで著明な浮腫が出現した.超音波と造影CTで左外腸骨静脈血栓症を認めた.DダイマーはLIA法で2.8μg/mlであった.ただちに弾性包帯を装着しヘパリンカルシウム(5000単位)を1日1回皮下注し術前準備した.間欠的空気圧迫法(以下IPC)は禁止とした.開腹すると,巨大腫瘤は左卵巣腫瘍であり,子宮や膀胱,腸管と強度に癒着していた.剥離し腫瘍を摘出した.腹水なし.進行期分類は1c(b)期であった.術後1日よりヘパリンカルシウム持続静注600単位/時間を開始した.術後4日からワルファリンカリウム3mg/日の内服を始め,凝固系を検査し適宜内服量を調節している.【考察】DVTがあるのを知らずにVTEの予防目的でIPCを使用するとPTEを誘発する恐れがある.VTEの危険因子をもつ患者に対し積極的にDVTを疑い検査する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 189-189, 2011


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