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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠23週に開腹手術を必要とした黄体化過剰反応の1例


原 信, 乙メ 雅子, 山崎 智子, 平井 強, 窪田 尚弘, 鈴木 康之
富士市立中央病院産婦人科


【緒言】黄体化過剰反応は,妊娠中の両側卵巣にhypertthecosisを伴った莢膜黄体化卵胞が多発し,OHSS様の著明な卵巣腫大を呈する稀な疾患である.今回われわれは,妊娠23週で茎捻転を疑い開腹手術を必要とした1例を経験したので報告する.【症例】25歳,9経妊3経産.2絨毛膜性双胎(自然妊娠)の管理目的で妊娠8週3日に紹介受診.初診時子宮内に胎嚢2個と心拍確認.両側卵巣腫大は認めなかった.妊娠14週4日,両側付属器に卵巣過剰刺激症候群様の嚢胞性腫瘤を認めた.妊娠19週4日に施行したMRIでダグラス窩の多房性嚢胞性腫瘤を認めserous cystadenomaやmucinous cystadenomaの診断となる.MRIの診断では表層上皮性腫瘍であったが悪性所見無く,妊娠初期に卵巣腫大を認めなかった事から機能性嚢胞の可能性を否定できなかった事を考慮し,茎捻転の可能性を説明したうえ保存的に経過をみた.妊娠23週1日左側腹部痛のため救急搬送され,嚢胞に一致する部位に疼痛を認めた.疼痛コントロール不良であったため茎捻転の疑いで開腹手術を施行した.左卵巣は手拳大に腫大しており捻転はしていなかったが圧迫のためか鬱血していた.両側卵巣嚢腫核出術を施行した.病理診断は多発性黄体化卵胞嚢胞の診断であった.術後の妊娠経過は順調で妊娠37週0日に1児骨盤位のため帝王切開とした.術中所見で両側卵巣は肉眼的に正常であった.【結語】黄体化過剰反応は稀な疾患であるが妊娠に伴う両側卵巣腫瘍を認めた時に鑑別すべき疾患の一つと思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 194-194, 2011


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