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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
子宮頸部円錐切除後の頸管狭窄に関する検討
寺田 秀昭, 佐川 泰一, 寺内 文敏, 伊東 宏絵, 西 洋孝, 佐々木 徹, 高江洲 陽太郎, 長谷川 裕美子, 三森 麻子, 永光 雄造, 長谷川 真理, 井坂 惠一
東京医科大学産婦人科
【目的】子宮頸癌発症の若年齢化により,妊孕能温存目的による子宮頸部円錐切除術(以下,円錐切除)施行例も増加傾向にある.今回我々は,円錐切除に伴う合併症のひとつである頸管狭窄に関して検討を行った.【方法】2008年4月より2011年1月までに当科にて施行した円錐切除156例を対象とした.円錐切除術式は,原則としてCIN3以上では入院によるKTPレーザー法(以下KTP),CIN 1〜2 では外来によるLEEP 法(以下LEEP)を行った.頸管狭窄の評価は,月経時における自覚的所見および経腟超音波所見やゾンデ診などを用いて行った.【成績】156例の内訳は,KTP 54 例,LEEP 102 例であった.このうち頸管狭窄は10 例(6.4%)に認められた.術式別による発生率は,KTP 3 例(5.5%),LEEP 7 例(7.0%)で,術式による差は認められなかった.また,病理組織別による差も認めなかった.156 例中18 例が閉経婦人であるが,4 例(22.2%)に頸管狭窄を認め,未閉経婦人6 例(4.3%)と比較し,高率に認められた.臨床的に所見がある症例に対してはヘガール頸管拡張器による拡張を行ったが,再狭窄1 例を認めるのみで,対応可能であった.【結論】円錐切除後の頸管狭窄は4.3 から8% に発症するとされる.今回の検討では,術式による発生率の違いは認められなかったが,閉経婦人には高率に認められた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
196-196, 2011
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