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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
病理検査室からの未受診患者リストがきっかけで治療に至った子宮頸部微小浸潤癌およびCINの23症例
渡邉 貴之, 西村 良平, 武田 哲, 加藤 清, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科
当院病理検査室では2002年より子宮頸部細胞診でCIN2以上とされ6カ月以上経過観察されていない症例をリストアップしている.当科外来ではそのリストを元に患者へ受診勧奨を行ってきた.その結果再受診し治療に至った症例について報告する.対象は2002年から2009年までの8年間で,子宮頸部細胞診でCIN2以上と診断され,その後6カ月以上受診なく経過観察されていなかった129症例.129症例の平均年齢は40.0歳,治療に至った症例は23例で17.7%であった.治療された症例の平均年齢は35.5歳でその年齢分布は20歳代8例,30歳代7例,40歳代6例,50歳代2例.60%が妊娠可能な20〜30歳代であった.治療の内訳は単純子宮全摘術が5例,円錐切除術が18例.23例の組織診断の結果は子宮頸部初期浸潤癌Stage1bが1例,CISが5例,AISが1例,Severe dysplasiaが7例,Glandular dysplasiaが1例,CIN2が5例.現在経過観察できている17例のうち16例は経過良好である.1例は断端陽性で経過観察中に細胞診異常を認めている.6例は治療後しばらく通院したが現在は再び未受診で経過観察できていない.昨年度から始まったクーポン検診の効果で以前よりは若い人の受診数も増え,またクーポン検診受診者に要精密検査の割合も多いといわれている.今後も治療を要する症例を放置しないようコメディカルと連携していくことが必要と考えた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
196-196, 2011
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