関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
急速に進行する複視を契機に発見された頭蓋底軟骨肉腫合併妊娠の一例


千葉 純子, 中島 義之, 田代 英史, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 都築 陽欧子, 本田 能久, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児・婦人科


脳腫瘍合併妊娠は全妊娠の0.006%と稀であり,さらに軟骨肉腫(chondrosarcoma)の頻度は約0.1%と極めて少ないとされる.今回我々は急速に進行する複視を契機に発見された頭蓋底軟骨肉腫合併妊娠の一例を経験したので報告する.症例は23歳4回経妊0回経産婦.妊娠29週頃より複視を自覚し,脳神経外科受診し,右外転神経麻痺と頭部MRIにて脳幹部腫瘍を認めたため,妊娠30週に当院紹介となった.頭部MRIではT1強調像で低信号域・T2強調像で高信号域の境界明瞭な3cmの腫瘤を認め,斜台の骨破壊を伴い脳幹部を圧迫していた.以後,脳神経外科医とともに外来経過観察していたが,右外転神経麻痺の急速な悪化と眼窩周囲痛が出現したため,早期の治療が必要と判断され,terminationの方針とした.妊娠34週0日に全身麻酔下に帝王切開術施行し,2034gの女児,Apgar score 9点(1分値)を分娩した.児は早産児のため新生児科入院となったが,経過良好で日齢37に退院した.産褥17日に開頭腫瘍摘出術を施行し,病理組織診断は軟骨肉腫であった.術後経過良好で開頭手術後16日に退院となったが,残存腫瘍に対し重粒子線治療を行った.右外転神経麻痺は徐々に改善し,腫瘍の再発も認めていない.脳腫瘍は組織学的悪性度に関わらず,頭蓋内圧亢進・神経圧迫により多彩な臨床像をとり,時に致死的な病態を呈する.さらに妊娠中は,ステロイドホルモンの増加・血行動態の変化により腫瘍が増大しやすいとされており,早期に発見し,適切な診断・治療を施すことが重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 201-201, 2011


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会