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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠中の視野障害を来し下垂体腫瘍との鑑別が困難であったリンパ球性下垂体炎の一例


諸岡 雅子, 中島 義之, 千葉 純子, 草西 多香子, 都築 陽欧子, 本田 能久, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児・婦人科


リンパ球性下垂体炎は,全下垂体疾患の0.3〜0.5%と稀な疾患であり,発症には自己免疫学的機序の関与が考えられているが,頭痛・視野障害・乳汁分泌などの症状を示すため,下垂体腫瘍との鑑別が難しいとされている.今回我々は,妊娠23週で突然の頭痛・嘔気・両耳側上半視野障害を主訴に発症し,下垂体腫瘍を疑われたリンパ球性下垂体炎合併妊娠の一例を経験したので報告する.症例は24歳1回経妊0回経産婦.妊娠23週に突然の頭痛と視野障害があり前医を受診し,両耳側上半視野障害,頭部MRIにて下垂体腫大を認め,妊娠28週に当院紹介受診となり,その後の妊娠経過は良好で,視野障害の増悪も認めなかった.経腟分娩による下垂体部への負荷を考慮し,妊娠37週に帝王切開術を施行し,2,410gの女児を分娩した.分娩後,視野障害は改善し,MRIにおいて下垂体縮小を認めたが,視交叉への圧迫を認めていたため,産褥2か月に経鼻的腫瘍除去術を施行した.手術所見では明らかな腫瘍は認めず,術後病理組織検査の結果ではリンパ球性下垂体炎と診断された.現在,月経も再開し,脳神経外科で経過観察されているが,自覚症状はなく,MRIにおいても下垂体腫大は認めず,経過良好である.本症は,下垂体腫瘍と鑑別が困難であり診断には慎重を要するが,症状増悪時の対応には緊急を要することも多いため,妊娠中の管理は脳神経外科・麻酔科・新生児科と連携し,分娩の時期や様式なども慎重に検討する必要があると思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 203-203, 2011


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