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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
大量腹水を伴い卵巣癌との鑑別が困難であった卵巣硬化性間質性腫瘍の一例


田代 英史, 中島 義之, 千葉 純子, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 都築 陽欧子, 本田 能久, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児・婦人科


卵巣硬化性間質性腫瘍(sclerosing stromal tumor;SST)は,性索間質性腫瘍に含まれる稀な良性腫瘍であり,若年層に好発するとされ,臨床症状は月経異常,腹部不快感などであり,腹水貯留を呈することは少ないといわれている.今回,我々は急速な腹水貯留を伴い卵巣癌との鑑別が困難であった卵巣硬化性間質性腫瘍の一例を経験したので報告する.症例は21歳 2回経産婦.1ヶ月前からの急速な体重増加(10kg)と腹部膨満感を主訴に前医受診し,MRI検査で大量腹水と卵巣腫大を認め,卵巣癌の疑いで当院紹介となった.超音波およびCT,MRI 検査ではいずれも多彩な充実成分を伴う10 cm 大の左卵巣腫瘍を認め,CA 125 は392 U/ml と高値を示した.胸部X 線では胸水は認めず,子宮頸部および内膜細胞診はいずれもclass I であり,腹水細胞診もclass II であった.左卵巣腫瘍の診断のもとに開腹手術を施行した.黄色漿液性腹水6500 ml と乳白色弾性硬の約10 cm の左卵巣腫瘍を認めたが,子宮および右付属器には異常所見は認めず,その他の腫瘍発育や腹腔播種は認めなかった.左付属器切除術,右卵巣部分切除術,大網部分切除術を施行した.術後病理組織検査では,細胞成分・血管に富み紡錘形および多角形細胞の増生より成る部分と,細胞成分に乏しく浮腫状あるいは繊維化を示す結合織よりなる細胞成分に乏しい部分とで分葉状にみえる像を呈し,SST と診断された.術後腹水の再貯留はなく経過順調で,術後7 日目退院となった.現在外来にて経過観察中であるが,術後,腫瘍再発は認めず,CA 125 は正常化し,腹水は消失したままである.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 215-215, 2011


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