|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
卵巣原発悪性線維性組織球腫の1例
高橋 慎治, 村松 慧子, 村上 裕介, 川島 正久, 徳永 直樹, 中島 彰
磐田市立総合病院産婦人科
【緒言】悪性線維性組織球腫(MFH)は四肢の軟部組織に好発する予後不良の腫瘍である.今回我々は卵巣に発生したMFHの1例を経験したので報告する.【症例】74歳,3経妊3経産.腹部膨満感,下腹部痛があり前医を受診したところ腹部腫瘤認められ当科へ紹介となる.MRI検査では骨盤内に13cmに達する充実性腫瘤を認めた.CT検査では左下葉肺底部に12mmの結節があり肺転移が疑われた.卵巣癌の疑いにて開腹手術を行うも,腫瘍は腸管と強固に癒着していたため生検のみ施行した.病理組織診断はMFHであった.CDDP+IFM+DXR療法を4クール施行したところ,臨床症状改善し,腫瘍径も画像上縮小したため,外科と合同で再開腹術を施行した.腫瘍は左付属器を中心に存在し,前回開腹時に比べ明らかに腫瘍は縮小していた.癒着剥離可能となったため,腫瘍摘出とともに単純子宮全摘術+両側付属器摘出術を施行した.最終病理診断は卵巣原発MFHの診断となった.【結語】MFHは軟部悪性腫瘍中で約25%と最も多い腫瘍であるが,卵巣原発症例の報告は極めて少ない.今回の症例について若干の文献的考察を加え報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
217-217, 2011
|