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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
エストロゲン高値により診断に苦慮した大腸癌卵巣転移の1例


小野 理貴1), 谷口 美咲1), 羽田野 景子1), 加塚 祐洋1), 伊東 宏絵1), 岩城 妙子2), 井坂 惠一1)
東京医科大学産婦人科1), いわきレディースクリニック産婦人科2)


【目的】卵巣腫瘍は年齢を問わず,婦人科領域で頻繁に遭遇する疾患である.今回我々はエストロゲン高値により莢膜細胞腫を疑い,手術施行した所,大腸癌の卵巣転移であった症例を経験したため,報告する.【方法】60才女性,家族歴,既往歴に特記すべきことなく,閉経より10年経過している.今回,腹部膨満感を主訴に前医受診.内診,超音波,造影MRIにて12cm大の右卵巣腫瘍を認め,血中エストロゲンが106 pg/mlと高値なことより莢膜細胞腫疑いにて当院紹介受診.2011年1月十分なインフォームドコンセントの上,手術施行.右付属器切除し,迅速診断したところ,大腸の転移からの腺癌も否定出来ないとのことより,切開を延長し,腸管を検索した所,下行結腸に4cm大の腫瘤認めたため,下行結腸切除術を施行した.最終病理にて大腸癌の卵巣転移であったため,現在,消化器外科にてFOLFOX6を施行中である.【成績】エストロゲン高値より莢膜細胞腫と考えたが,大腸癌の卵巣転移であった.エストロゲン高値イコール婦人科疾患ではなく,他疾患も視野に入れ,術前に十分な検索が必要と思われた.【結論】エストロゲン高値の大腸癌は予後不良との報告もあり,今後化学療法の効果判定,再発に注意して行く必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 219-219, 2011


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