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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
卵巣癌・卵管癌・原発性腹膜癌と重複癌における検討
高木 清考, 大塚 伊佐夫, 松浦 拓人, 伊豆田 千夏, 田中 亜由子, 高矢 寿光, 可世木 華子, 長島 稔, 古澤 嘉明, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科
<緒言>治療法の進歩や高齢化に伴い,重複癌は増加傾向にある.また,BRCA変異乳癌・卵巣癌やリンチ症候群などの家族性婦人科癌や化学療法後の発癌なども報告されている.<対象・方法>1995年〜2010年に上皮性卵巣癌・卵管癌・原発性腹膜癌と診断した250症例のうち,Warren&Gatesの診断基準を満たした卵巣癌・卵管癌・腹膜癌と他の癌での重複癌27症例(10.8%:上皮性卵巣癌25例,卵管癌1例,原発性腹膜癌1例)を対象とした.これらを家族性癌との知見と比較し検討した.<結果>平均年齢 58.1歳(35―76歳).同時性8例,異時性19例.stage別:I期10例II期4例III期10例IV期3例.卵巣癌・卵管癌・腹膜癌の組織別では漿液性腺癌15例,類内膜腺癌7例,粘液腺癌3例,明細胞腺癌2例.合併癌では乳癌12例,子宮内膜癌5例,胃癌2例,胆のう癌,胆管癌,膵癌,腎癌,子宮頸癌,大腸癌,虫垂癌がそれぞれ1例であった.結果 詳細に家族歴を聴取していた症例は15症例のみであり2親等以内に癌の家族歴をもつ患者は10症例(66.7%)であった.リンチ症候群,BRCA関連癌を疑う症例は3症例のみであった.<考察・結語>卵巣癌の患者をみた場合系統だった家族歴聴取が必要である.また海外では遺伝子診断が行われており,BRCAの変異を認めた場合,予防的付属器切除が行われている.日本では予防的付属器切除は保険適応なく,早期発見のスクリーニング方法もないため遺伝性癌が疑われる患者に対しての治療方法,説明の仕方に十分の注意が必要である.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
220-220, 2011
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